看護師の仕事は医師をサポートし、患者さんやそのご家族のケアをするという重責も担っています。夜勤や長時間労働などの過酷な労働環境が問題となって看護師不足や離職率の多さが話題となった時期もありました。ですが、最近では次第に改善されてきて働きやすい職場を提供しようとしている病院も増えてきています。
看護師にはいくつかの働き方があります。大きく分けると、外来勤務、病棟勤務、手術室勤務です。外来勤務は各診療科に配属され外来時間だけ担当しますので、基本的には日勤となり、家事や育児との両立がしやすい勤務形態です。最近では、人工透析専門のクリニック等は20時や21時頃までと夜遅くまで開院するところもあります。病棟勤務は入院患者さんのケアを担当しているので基本は日勤だけでなく夜勤もあります。以前は日勤と夕方から翌朝にかけての長時間勤務となる夜勤の2交代制が主流でした。ですが、最近の傾向としておよそ8時間ずつ日勤、準夜勤、深夜勤の3交代制を採用する病院も増えています。
どちらが働きやすいか一概には言えませんが、3交代制は1回あたりの労働時間が短い分、体力的には楽かもしれません。また、最近では自分が働ける時間を使ってもらい、できるだけ多くの人員を確保するため日勤専従や夜勤専従、週に何度かのみのパートや非常勤職員を募集しているところもあります。院内に24時間利用できる託児所を設けたり、育児時間の取得や短時間勤務を認めたり育児と仕事を両立できる職場環境をアピールする病院も多くなりました。
このように少しずつですが、女性の働きやすい職場環境が整いつつある看護業界ですが、白衣の天使と呼ばれた昔とは違い今は看護師は女性だけではありません。まだ全国でもわずか5%と言われていますが、男性の看護師の数も着実に増えています。男女で仕事内容が変わるわけではなく、求められるスキルや責任にも差はありません。男性看護師のメリットは、例えば患者さんのベッド移動など力を必要とする作業が楽に行えたりすることにあります。
認定看護師制度や専門看護師制度が出来て、医師のアシスタントだけではなく、より積極的に治療に関与し、患者さんの病状の回復をサポートする看護師も増えています。より高度な専門スキルを身につけるには、所定の研修を受講したり、試験への合格が必要だったりと長い道のりですが、キャリアアップを目指してチャレンジする人や、看護学生時代から、将来、専門看護師になりたいと目標を立てる人も増えています。病院側でも教育支援体制を整えて、研修費用を拠出したり、大学院等で学ぶ間も職員としての立場を認めるなど、積極的に支援するケースが非常に目立っています。認定看護師や専門看護師を目指すなら、こうした支援制度が整っている病院に就職や転職を検討したほうがいいでしょう。