信頼関係を築く

信頼がないと同じ仲間として一緒に仕事をすることはできません。信頼があるからこそ一緒に仕事をすることが出来ますし、患者さんも自分の体を医師や看護師に預けることができます。少しのポイントを意識するだけで相手との信頼度は変わってきます。

信頼関係を築く

相手の言葉を伝え返す

コミュニケーションを取る時によく起こる問題は、この人は私の話をわかっていないと相手が感じてしまう事です。自分の話がわかってもらってないと感じると、相手はさらに自分の意見を主張しようとします。そして、あなたに対してこの人はわかってない人という烙印を押してしまいます。もしも、これが患者さんだったらあなたに対する信頼は失われてしまいます。下手をするとクレームにつながる可能性もあります。
そこで、相手とうまくコミュニケーションを取るために、会話の中で相手が使った言葉を伝え返すという方法があります。言葉を伝え返してあげると「この人はわかってくれているんだ」と相手が無意識的に感じるようになります。これはバックトラッキングと呼ばれる手法なのですが、相手に対して理解を伝えるだけでなく、自分自身が相手を理解することにも役立つとされています。

・キーワードを伝え返す
相手が会話の中で繰り返し使っている言葉や、そのときの感情を表す言葉、その人の価値観や信念に触れる言葉を伝え返すのがよいでしょう。
例:患者さん「親族に大腸癌の人がいるので、私も癌ではないかと不安です。」
  あなた「あなたは、自分が癌ではないかと不安なのですね」

・内容を要約して伝え返す
話の内容を要約して伝え返してあげることで、自分と相手が同じ世界観を共有することになります。同じ世界観を共有していると自然と信頼関係を築きやすいものです。また、相手の話が長い時に要約して伝え返す事も有効です。
例:患者さん「看護師さんには感謝しています。病気で辛い時に励ましてくれたので、勇気を貰うことができました」
  あなた「看護師の励ましで、勇気をもらえたんですね」

・語尾を伝え返す
「~だと感じる」、「~だと見える」、「~だと聞こえる」などのワードが聞こえてきたら、こちらも同じように伝え返してあげると効果的です。
例:看護師「森田さんはいつも怒っているように見えるよね」
   あなた「確かにいつも怒っているように見えますね」

動作や姿勢を合わせる

信頼関係が築けている時の特徴として、相手と共感できているという事があります。みなさんも、同じ趣味や境遇の人とはなんとなく打ち解けやすかったり、仲間意識が高くなったりした経験があると思います。人間にはミラーニューロンという細胞があるのですが、これによって他人の行動を見ると、自分も同じ行動を取っているかのように反応できる事が知られています。これが共感につながるのですが、相手の動作や姿勢と合わせることで、同じく共感を生むこともできます。

相手のリズムにあわせる

自分が落ち込んだり悩んでいる時に明るい話を凄く楽しそうにされて、嫌だなと思ったことはないでしょうか。また、自分は早口で、もの凄くゆっくり喋る相手にイライラしたことはないでしょうか。これらは、自分と相手のリズムが違うことでミスコミュニケーションが起きている状態です。自分と相手が違うと共感や仲間意識は生まれづらいですし、むしろ自分とは違う人という認識になってしまいます。
そこで、上手くコミュニケーションを取る方法は相手の感情や気分、話のリズムに自分を合わせていくことです。相手が悲しんでいる時は自分も悲しむ、相手がゆっくり話す場合は自分もゆっくり話してあげる。声の大きさなどを合わせるのも効果的です。ただし、相手が自分に対して怒っている時には、感情や話のリズムを合わせると逆効果になるので注意が必要です。

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